理学部の入試と受験勉強|共通テストの科目と数学・理科の進め方

理学部の入試を共通テスト・個別試験・推薦や総合型選抜に分けて準備する方法を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が文部科学省・大学入試センターなどの公的機関と各大学の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。学部・学科の構成や入試方式は年度によって変わるため、最新の情報は各大学の公式サイトで確認してください。

理学部を受けたいけれど、入試の種類が多くて何から手をつければいいか分からない。数学と理科をどこまで仕上げればいいのか不安、という方も多いはずです。

結論から言うと、理学部の入試は「共通テスト」「個別試験の数学・理科」「学校推薦型・総合型選抜」の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

この記事を読むと、それぞれの準備の中身と、高1から高3までの時期ごとの動き方が分かります。

目次

理学部の入試はどんな仕組み?3つに分けて考える

先に結論

理学部の入試は、大学入学共通テスト、大学ごとの個別試験、学校推薦型選抜・総合型選抜の組み合わせでできています。どれを使うかで、準備の重心が変わります。

『入試の名前が大学ごとにバラバラで、比べようがない』と感じますよね。

実は、名前は違っても中身はこの3つのどれかに入ることがほとんどです。まずは表で全体をつかんでみてください。

入試の種類何で評価される?準備の重心
共通テスト全国共通の試験の得点数学・理科に加えて英語・国語・情報なども幅広く
個別試験(一般選抜)大学が作る試験の得点数学と理科の記述・応用
学校推薦型・総合型選抜書類・面接・小論文・試験など高校の成績、活動の記録、学びたいことの言語化

入試方式の名前は大学ごとに違う

例えば東京理科大学では、2027年度入試に「一般選抜 A方式」「一般選抜 B方式」「一般選抜 S方式」があります。ほかに学校推薦型選抜(指定校制)や、総合型選抜(女子)などもあります。

東京理科大学のB方式は、全学部学科で行う大学独自の入学試験です。A方式(理学部第二部)は共通テストを使う入試で、ほかのA方式やB方式、S方式と併願できます。

東邦大学の理学部(2027年度入試)は、総合入試・推薦入試・一般入試(A)(B)・統一入試・共通テスト利用入試という名前で分かれています。

名前より中身を見る

「A方式」「統一入試」といった名前だけでは、何の試験か分かりません。募集要項では、名前の横にある「共通テストを使うか」「個別試験の教科は何か」を見ていきましょう。

国公立と私立で入試の形がどう違うかは、私立大学の理学部と国公立との違いでも紹介しています。

共通テストで受ける教科と科目(令和9年度)

先に結論

令和9年度の共通テストは、2027年1月16日と17日に行われます。理学部を目指すなら、2日目に並ぶ理科・数学・情報が特に大事な時間帯です。

今の高校3年生が受けるのは、この令和9年度の共通テストです。追試験は1月23日と24日に予定されています。

2日目は、理科、数学①、数学②、情報の順に試験があります。理系の受験生にとっては一番長い1日になりそうですよね。

数学・理科・情報の出題科目

教科出題科目時間と配点
数学①『数学Ⅰ,数学A』『数学Ⅰ』から1科目70分・100点
数学②『数学Ⅱ,数学B,数学C』70分・100点
理科『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』『物理』『化学』『生物』『地学』から最大2科目1科目60分・100点、2科目130分(解答120分)・200点
情報『情報Ⅰ』60分・100点

数学①の「数学A」は、図形の性質と場合の数と確率の2項目に対応した出題で、全部解きます。数学②は、数列・統計的な推測・ベクトル・平面上の曲線と複素数平面の4項目から3項目を選んで解きます。

理科の『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』は、4つから2つを選んで解く形です。何科目受けるかは出願の時に申し出ます。

よくある失敗

理科を「得意な科目で受ければいい」と決めてしまうのは危険です。大学や学科によって、指定する理科の科目や数が違うことがあります。

例えば東京理科大学の理学部第二部では、A方式の共通テスト科目が学科で違います。数学科は数学①②が必須で、残りは外国語・国語・理科・情報から1教科を選ぶ形です。

物理学科と化学科は、外国語・数学②・理科1科目に、数学①か『情報Ⅰ』のどちらかを加えた4科目です。同じ大学の同じ学部でも、学科で準備が変わるんです。

理科の科目はどう組み合わせる?

『物理と化学、化学と生物、どの組み合わせがいいの?』と迷う方も多いですよね。

結論から言うと、まず志望学科の指定を確かめ、そのうえで自分が好きで続けられる科目を選ぶのが基本です。目安として、次のような考え方があります。

志望する分野軸にしやすい科目確かめておくこと
数学・物理・天文物理物理を指定しているか、もう1科目は何でもよいか
化学化学化学に加えて物理か生物のどちらを求めるか
生物・生命生物と化学生物で受けられるか、物理の指定がないか
地球・惑星地学か物理地学を選べる大学か

なお、共通テストの『物理』『化学』『生物』『地学』の間では、得点調整が行われることがあります。受験者が1万人未満の科目は対象外とされています。

細かい実施方法は令和9年度大学入学共通テスト実施要項(大学入試センター)で確かめられます。

個別試験の数学・理科と、推薦・総合型選抜の準備

先に結論

個別試験は大学が作る試験なので、教科・配点・試験日を募集要項で書き出すところから始めます。推薦・総合型選抜は、早い時期から「何を学びたいか」を言葉にしておくことが準備の中心です。

個別試験の教科と配点を書き出す

東邦大学の理学部の一般入試(A)は、数学・外国語・理科の3教科で各100点、合計300点です。情報科学科は各教科150点で、外国語と理科の高いほうを使います。

このように、同じ学部でも学科によって配点の考え方が違うことがあります。志望校が決まったら、次の手順で表を作ってみてください。

募集要項から個別試験を読み取る手順
  1. 志望する学部・学科の入試方式の名前を全部書き出す
  2. 方式ごとに、共通テストを使うか、個別試験の教科は何かを書く
  3. 理科の指定科目(物理・化学・生物・地学のどれか、何科目か)に印をつける
  4. 配点を書き、数学と理科の割合が大きい方式を見つける
  5. 試験日を並べて、併願できる組み合わせを確かめる

『数学と理科、どっちを優先すればいいの?』と迷う方もいますよね。配点表を作ると、どちらに時間をかけるべきかが自然と見えてきます。

過去の入試問題はいつ、どう使う?

過去の入試問題は、出題の形式と時間の感覚をつかむための教材です。高3の春に一度目を通しておくと、夏からの勉強の方向が決まります。

過去問の使い方
  1. 高3の春に1年分を解き、出題の形式と分量を知る
  2. 解けなかった単元を書き出し、教科書と問題集に戻る
  3. 秋からは時間を計り、本番と同じ順番で解く
  4. 記述の答案は、学校の先生に読んでもらう

数学・理科の勉強を進める時のコツ

数学は、教科書の例題を自力で解けるかを最初に確かめます。解説を読んで分かった気になる段階と、白紙から解ける段階は別物なんです。

理科は、受験で使う科目を高2のうちに決めておくと、演習の時間を確保しやすくなります。物理と化学、化学と生物のように、大学の指定に合わせて組み合わせを選びましょう。

数学・理科の仕上がりチェック
  • 教科書の例題を、解答を見ずに最後まで解ける
  • 間違えた問題に印をつけ、1週間後に解き直している
  • 理科は公式の意味を自分の言葉で説明できる
  • 記述式の答案で、途中の式や理由を省かずに書けている
  • 過去の入試問題を時間を計って解いたことがある

学校推薦型選抜・総合型選抜を考えるなら

推薦や総合型選抜は、大学ごとに条件の変更が多い入試です。例えば新潟大学の理学部は、令和10年度の学校推薦型選抜から物理学プログラムで共通テストを課す方式に変わります。

新潟大学の令和10年度の学校推薦型選抜の募集人員は合計46人で、令和9年度の合計40人から変わります。最新の情報は各大学の公式サイトで確認してください。

推薦・総合型選抜の準備で確かめること
  • 出願に必要な高校の成績の条件があるか
  • 共通テストを課すかどうか
  • 小論文・面接・口頭試問・筆記試験のどれがあるか
  • 志望理由書で「理学部で何を知りたいか」を書けるか
  • 出願の時期(秋が中心か)と、一般選抜の勉強との両立

例えばこんな場面です。「化学の実験が好きで、物質がなぜ色を変えるのか知りたい」と書けるなら、志望理由の芯ができています。

理学部と工学部のどちらを受けるかで迷っているなら、理学部と工学部の違いで自分に合う方を確かめておくと、志望理由が書きやすくなりますよ。

高1から高3までの逆算表

観点を変えると

入試の日から逆算すると、高1・高2のうちにやっておくことがはっきりします。「高3になってから考える」では、科目選びや推薦の準備が間に合わないこともあるんです。

『まだ高1だし、受験は先の話』と思うかもしれません。ただ、高校の理科の科目選択は、思ったより早い時期に決まることもありますよね。

時期共通テストの準備個別試験の数学・理科推薦・総合型選抜大学選び
高1の春〜秋定期試験で数学Ⅰ・Aの基礎を固める教科書の例題を自力で解く習慣をつける興味のある分野をノートに書きためる理学部で学べることを調べる
高1の冬〜高2の春英語と国語も含めて苦手を作らない理科の科目選択を、志望学科の指定に合わせて決める研究発表や課題研究に取り組む気になる学科を3〜5つに絞る
高2の夏〜冬数学Ⅱ・B・Cと『情報Ⅰ』の範囲を進める受験で使う理科2科目の基礎を一通り終える活動の記録をまとめ始めるオープンキャンパスで研究室を見る
高3の春〜夏共通テスト形式の問題に慣れる志望校の過去問で出題の傾向をつかむ志望理由書を書き、先生に読んでもらう志望校を決め、募集要項を取り寄せる
高3の秋時間配分の練習を重ねる記述答案を先生に添削してもらう推薦・総合型選抜の出願と試験併願校の日程を確定させる
高3の冬1月の本試験を受ける個別試験の直前演習結果を見て一般選抜へ切り替える出願書類を確認して提出する
理学部の入試に向けて、高1から高3までの時期ごとにやることを逆算して並べた図解

表を自分の手帳に写して、今の時期の行に印をつけてみてください。やるべきことが1つずつ見えてくるはずです。

高3で表を見て焦った時は

今の時期より前の行が終わっていなくても、慌てなくて大丈夫です。数学と、受験で使う理科1科目の基礎から先に戻り、終わったものから印をつけていきましょう。

例えば高3の夏に理科2科目目が手つかずなら、「まず1科目を共通テストの形で解けるようにする」と目標を小さくしてみてください。全部を同時に進めようとすると、どれも中途半端になりやすいんです。

志望校を選ぶ段階なら、理学部がある大学の探し方も参考になります。

理学部の受験勉強、どんな学び方を選ぶ?

先に結論

学び方は、独学・学校の補習・塾や予備校に通う・オンラインの受験指導の4つが代表的です。「質問できるか」「自分のペースで進められるか」「通う時間」の3点で比べると、自分に合う形が選べます。

『塾に行かないと理学部は無理?』と心配になる方もいますよね。

結論から言うと、学び方に正解はありません。大事なのは、分からない問題を放置しない仕組みがあるかどうかです。

4つの学び方を3つの点で比べる

学び方質問できるか自分のペースで進められるか通う時間
独学自分で調べるのが中心進めやすいかからない
学校の補習・先生への質問先生の空き時間に聞ける学校の予定に合わせる学校にいる時間で済む
塾・予備校に通う講師やチューターに聞ける授業の進度に合わせる移動の時間がかかる
オンラインの受験指導画面越しに聞ける形が多い予定を組みやすいかからない

例えば、部活が夜まであって移動の時間が取れない場合は、オンラインの受験指導が候補に入りやすくなります。逆に、家だと集中できないなら、自習室のある塾や予備校が合うかもしれません。

通う学び方(塾・予備校)が合う人
  • 決まった時間に机に向かう習慣を作りたい
  • 周りに同じ目標の人がいると頑張れる
  • 自習室で集中したい
家で学ぶ形(独学・オンライン)が合う人
  • 部活や移動で時間が限られている
  • 苦手な単元だけを集中して進めたい
  • 自分で計画を立てて進めるのが得意

オンラインで受験指導を受ける時に確かめること

オンラインの受験指導は、数学や理科の質問をその場でできるかどうかで、使いやすさが大きく変わります。申し込む前に、次の点を確かめておきましょう。

オンラインの受験指導を選ぶ前のチェック
  • 数学・物理・化学など、理系科目の質問に答えてもらえるか
  • 記述式の答案を添削してもらえるか
  • 志望校の入試方式に合わせて計画を作ってもらえるか
  • 授業の日時を部活や学校の予定に合わせて変えられるか
  • 体験授業や相談で、教え方との相性を確かめられるか
  • 料金の総額と、途中でやめる時の決まりを書面で確認できるか

体験の時は、「この問題のここが分かりません」と実際に聞いてみてください。説明の分かりやすさは、話してみると一番よく分かります。

保護者の方が手伝えること

『子どもの受験に、親はどこまで口を出していいの?』と悩む保護者の方もいますよね。

勉強の中身よりも、入試の日程や出願の締め切り、模試の予定を一緒にカレンダーに書き込むのが手伝いやすいところです。学び方を選ぶ時も、本人が「質問しやすい」と感じるかを一番に聞いてあげてください。

受験勉強の進め方と並んで大事なのが、志望校の情報集めです。気になる大学を2〜3校に絞ったら、資料を取り寄せて入試方式や理科の指定科目を見比べておきましょう。

理学部ガイド

気になる理学部の資料を取り寄せて比べたい方へ

理学部は、同じ学部名でも学科の分け方・研究室の分野・取れる教員免許・キャンパスが大学ごとに違います。気になる大学を2〜3校に絞ったら、資料を取り寄せて同じ観点で見比べるのが近道です。資料請求で確かめたい点と、届いた資料の見比べ方をまとめました。

無料理学部の資料請求で比べる方法を見る

学部・学科の構成や入試方式は年度で変わります。最新の情報は各大学の公式サイトで確認してください。

資料で何を比べればいいかは、理学部の大学資料請求|取り寄せて比べる7つのポイントで詳しく紹介しています。

独学・学校の補習・塾や予備校・オンラインの受験指導を、質問できるか・自分のペース・通う時間で比べた図解

理学部の入試でよくある相談

先に結論

入試の相談で多いのは、共通テストと個別試験の関係、推薦入試の調べ方、合否の決まり方です。ここでは3つの相談に、確かめ方を添えて答えます。

共通テストで高い点を取っても、個別試験で不合格になる?

難関の国立大学の理学部について、『共通テストがどんなに良くても、個別試験しだいで落ちるの?』という相談がよくあります。

合否は、大学が募集要項で決めた方法で判定されます。共通テストと個別試験の配点の比べ方は大学ごとに違うので、まず配点を書き出してみてください。

個別試験の配点が大きい大学なら、数学と理科の記述の力が合否を左右しやすくなります。共通テストの対策だけで終わらせないことが大事なんです。

推薦入試は評定と小論文だけ?一般入試とどう両立する?

『推薦は共通テストなしで、評定と小論文で決まる。だったら一般入試の勉強はどうすればいい?』という相談もあります。

推薦や総合型選抜の内容は大学ごとに違い、年度によって変わることもあります。先ほどの新潟大学のように、共通テストを課す方式に変わる例もあるんです。

推薦を受ける場合でも、一般選抜の勉強は続けておくと安心です。推薦の結果が出た後に、すぐ一般選抜へ気持ちを切り替えられるからです。

志望校の推薦入試について、ネットで調べても分からない

推薦入試の情報は、ネットの書き込みだけではなかなか正確に分かりません。

まずは大学の公式サイトの入試ページで、学生募集要項を探してみてください。それでも分からない点は、大学の入試担当の窓口や、高校の進路指導の先生に聞くのが確実です。

例えばこんな聞き方ができます。「理学部の学校推薦型選抜で、出願に必要な成績の条件と、試験の内容を教えてください」。

よくある質問

理学部の入試で、共通テストの理科は何科目必要ですか?

大学や学科によって違います。共通テストの理科は最大2科目まで選べますが、何科目・どの科目を指定するかは募集要項で確かめてみてください。

理学部の入試に『情報Ⅰ』は必要ですか?

令和9年度の共通テストでは『情報Ⅰ』が出題されます。使うかどうかは大学や入試方式で違い、東京理科大学の理学部第二部の物理学科・化学科のように数学①と選べる例もあります。

理学部の受験勉強はいつから始めればいいですか?

高1のうちに数学の基礎を固め、高2で理科の受験科目を決めておくと余裕が生まれます。推薦や総合型選抜を考えるなら、高2のうちに興味のある分野を言葉にしておきましょう。

理学部と工学部を併願することはできますか?

試験日が重ならなければ併願できます。同じ大学でも学部によって理科の指定科目が違うことがあるので、両方の募集要項を並べて確認しておきましょう。

塾に通わないと理学部の入試は難しいですか?

通わなくても準備はできます。大事なのは、分からない問題を質問できる場所があるかどうかです。学校の先生やオンラインの受験指導など、自分に合う形を選んでみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 理学部の入試は、共通テスト・個別試験・推薦や総合型選抜の3つに分けて考える
  • 令和9年度の共通テストは2027年1月16日・17日で、2日目に理科・数学・情報がある
  • 理科の指定科目や配点は大学・学科ごとに違うので、募集要項で書き出す
  • 高1・高2のうちに数学の基礎と理科の受験科目を決めておく
  • 学び方は「質問できるか・自分のペース・通う時間」の3点で選ぶ
理学部ガイド

理学部ガイド 編集部

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